リスクの高い「ツケ払い」をEC事業者が導入するべきか?考察と課題

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大学生のクレジットカード保有率は2016年度の調査だと50%と高くはありません。クレジットカードがないと不便なのが、スマートフォンでのオンラインでの買い物ですが、そんな中にZOZOTOWNが若者向けに始めたのが「ツケ払い」です。

ツケ払いはGMOペイメントゲートウェイ(以下GMO-PGと表記)の子会社のGMOペイメントサービスがはじめた「GMO後払い」と呼ばれるサービスで、2016年11月にZOZOTOWNに決済サービスを提供したのがはじまりです。

ツケ払いとは「本人確認」をせず少額の与信枠(ZOZOでは最大54,000円)を設け、一定期間後(ZOZOは最大二ヶ月間OK)に請求書を発行し、ユーザーにコンビニなどで支払ってもらう決済方法です。カンタンに言えば「飲み屋の一見客に対してツケを認める」ようなサービスなのです。

ZOZOTOWNのターゲットはお金を持っていない十代などの若者がターゲットであり、若者はクレジットカード保有率も低いため、ツケ払いと大変相性が良い決済サービスなのです。

本日は決済会社で10年の経験がある筆者が、「ツケ払い」について詳しく解説いたします。

「ツケ払い」で支払が滞る若いユーザーが増えてもZOZOTOWNは損しない理由とは?

なぜZOZOTOWNはこのような貸し倒れリスクのある「ツケ払い」を積極的に採用できたのでしょうか?実は貸し倒れのリスクは、ZOZOTOWNが背負うのではなく、決済代行会社のGMOペイメントサービスが背負います。

下記図をご覧ください。

◆ツケ払いの仕組みがわかるツケ払いの概要図

クレジットカードのない若者が、手元に現金がなくとも服が画期的なサービスです。当然このようなサービスには、貸し倒れするユーザーも出てきますが、貸し倒れのリスクはZOZOTOWNではなく、GMO後払いを提供しているGMOペイメントサービスが背負うことになります。

一方でGMOペイメントサービスにしては、日本でも有数のECサイト「ZOZOTOWN」から多くの手数料がとれるため、売上の拡大につながるのです。

 

ZOZOTOWNで採用された「ツケ払い」の2つのリスクとは?

後払い決済サービスというのは、すでに普及しており業界大手の「NP後払い」が先行しておりました。

しかし、ZOZOTOWNのツケ払いで画期的だったのは、請求書の送付(商品の購入から支払まで)に一定期間(ZOZOでは最大二ヶ月間)を設けたことで、タイムラグを発生させたことです。(従来の後払いサービスは、購入後すぐに請求書を発送しておりました)

このサービスの発想自体は昔からありました。しかし下記の2点のリスクが大きくサービス化した会社はありませんでした。

◆ツケ払いの2つのリスク

・未回収リスクが高い
・審査ノウハウがない

つまり、後払い決済サービス(ツケ払い)とは「飲み屋に来た一見客にツケを認める」ようなもので、どれだけリスクが高いかわかるでしょう。それを始めたのがZOZOTOWNのツケ払いです。

決済会社はGMOペイメントサービスです。「後払い」としては後発のGMOですが、「ツケ払い」としては日本初のサービスになりました。

過去記事:後払いで急成長のGMOペイメントサービスの評判と考察

ツケ払いのリスクとは?

ZOZOTOWNのターゲットは十代を中心とした若者です。若者は服は欲しいのですがお金がありませんし、クレジットカード保有率も少ないです。ですから、そういった若者に

十代の若者「ツケ払いだと今はお金がなくても、欲しい服がすぐに手に入る!」

という訴求が刺さり、ツケ払いでの購入が相当数あったようです。

しかし、ツケ払いをあまり理解せずにZOZOTOWNで購入した若者が支払が滞ることがネットニュースにも大きく取り上げられることにもなりました。

ニュース記事:未成年も使えるZOZOTOWN「ツケ払い」が物議 後払いは悪なのか

クレジットカードの問題でしたら金融庁の管轄ですが、ツケ払いのようなサービスは今までは世の中に存在しなかったため、金融庁の所管外なのです。しかし、ZOZOTOWNの借金(ツケ)の支払いが滞る若者が増え続け、世の中で騒ぎになると、規制されるリスクがあります。(今のところそのような動きはありません)

こういった背景もあり、ZOZOTOWNもホームページでの「ツケ払い」の訴求を押さえているようで、今はツケ払いの露出を抑えています。

ターゲット層が若者であれば、ツケ払いによる売上増は確実に見込めますが、もし、あなたのECサイトで社会問題が発生した場合は、致命的なダメージを負います。その点は導入の際に検討すべきです。

GMO-PGが貸し倒れ引当金を増額

ツケ払いがリリースして、1年を経過。下記記事によるとGMOペイメントゲートウェイが、売上高の増加とともに、貸し倒れ引当金も大幅に増額しており、実際の貸し倒れ数は不明なものの、相当数の若者が返金できずにいると思われます。

GMOペイメントサービスは支払が遅れたユーザーに電話等で債権回収を行うのです。

ZOZOツケ払い開始1年、決済代行会社の「貸倒引当金」急増

ツケ払いを導入するなら「GMO後払い」かNP後払いの「ATONE」

リスクはありますが、若者がターゲットの企業にとっては、「ツケ払い」は魅力的なサービスであることは変わりません。

これから「ツケ払い」の導入を検討している企業は、当然ZOZOTOWNの決済サービスのGMOペイメントサービスが参考になります。当初、GMOペイメントサービスは、ZOZOTOWN以外に決済サービスを提供していませんでしたが、現在はECサイト事業者向けにツケ払いの提供をスタートしています。

後発では、NP後払いもツケ払いに参入し、「ATONE」というツケ払いサービスをリリースしました。

過去記事:NP後払い(ネットプロテクションズ)の評判と考察

ツケ払いの会社では、現在は「NP後払い」と「GMOペイメントサービス」の2社が先行しているイメージです。

ツケ払いの手数料は少し高め

一般のクレジットカード手数料が2.5%~程度と考えると、「ツケ払い」の手数料は少し高い印象です。決済代行会社にとっては貸し倒れのリスクがあるので、必然的に高くなります。

「GMO後払い」のEC事業者の4つの手数料方式

データ引用先:http://www.gmo-ps.com/service/price/

「ATONE」のEC事業者の手数料は1つの方式

ATONEの決済手数料 = 1.9% + 30円

 

同じ「ツケ払い」でも、手数料の方式がまるで異なりますので、自社商品の金額と販売数でシュミレーションを行い、ましょう。システムは双方ともに「リアルタイム与信」に対応しており、差別化ポイントは手数料や実績になります。

 

ツケ払いを導入するメリット

最大のメリットはクレジットカードを持っていない層にも、決済サービスを提供できる点です。10代から20代のクレジットカードの保有率は低いですから、若者がターゲットのアパレル業界にはユーザー利便性が高い決済サービスになります。

アパレル業界のフラッグシップのZOZOTOWNが「ツケ払い」をはじめたこともあり、ユーザーもツケ払いが浸透するにつれて、それに続くアパレルEC事業者も導入しやすいことでしょう。

アパレル以外にも「エステ」「家具」「コンタクトレンズ」などの大手にツケ払いが導入されており、いずれにしても若者と相性の良い決済方法になります。

ツケ払いの今後は?

クレジットカードを持たない層には利便性も高いので、クレジットの与信がつかない若者や高齢者中心に利用が広がれば、ツケ払いに参入する企業も増えるでしょう。

しかし、懸念は監督する法律がないため、悪徳業者の参入が防げないことです。

例えば、無茶な与信を企業が通せば「企業が子供にお金を貸した」という見方もできますし、またPTAが「子供が勝手にお金を借りている」という騒ぎも懸念されます。

ツケ払いの普及にはそのあたりが課題になります。今後「ツケ払い」はアパレルを中心に普及していくでしょうが、社会問題が最大のリスクになるので、GMOもNPもツケ払いについては慎重な動きを感じます。

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