カード決済手数料10%を客側に負担するのは違法ではない理由!

PR:本記事ではアフィリエイト広告を利用しています。

キャバクラや風俗店などで、クレジットカードを利用しようとしたら、

店員「クレジットカードの場合は、手数料として10%増えてしまいますが・・・。」

と言われたことはないでしょうか?この手数料は正しいのか?悪いのか?と言えば、もちろん不正です。クレジットカード加盟店は、どのカードブランドであっても、お店側が負担すべき3~7%のカード手数料を、お客さんに負担させることは加盟店規約で禁止とされているからです。

しかし、だからといって、もしあなたがこの加盟店規約を知っており、加盟店規約を縦にお店側に難癖をつけるのはNGです。なぜならトラブルに巻き込まれる可能性があり、しかも、この手数料負担は「加盟店規約ではNG」ですが、「法律違反ではない」ので、騒ぐだけ損となりかねません。

本日は決済代行会社で15年働いていた、筆者がカード手数料をお客に求められたら、どうするべきか?という点について詳しく解説いたします。

カード会社の規約で「手数料の負担を客に求める」のは禁止されています!

まず、下記は「三井住友カード」の加盟店ルールの条文の、色のついた部分をご覧ください。

上記引用先:三井住友カード加盟店規約(PDF)

このように、お店の都合でカード決済の手数料を、お客さんに負担させることは禁止されており、これは三井住友カードだけでなく、全てのカード会社がこの行為を禁止しています。

では、この加盟店ルールを持ち出して、キャバクラなどで「手数料10%負担ですが」と店員に言われたら、突き返しても良いのでしょうか?

◆キャバクラなどでよくある手数料上乗せやり取りを例にとると

店員「カードですと、手数料10%かかりますが。。」

あなた「それはカード会社の加盟店ルール違反です。10%は上乗せはできないはずだ!」

==>結論から言えば、あなたがは正しいですが、こういうことは言ってはいけません。なぜならトラブルに巻き込まれる可能性があるからです

正しいからと言って、こういうことをキャバクラなどの店員に言うのはおススメしません。なぜなら、下記の3つの可能性が濃厚だからです。

①店員はクレジットカード手数料の加盟店規約を知らない
②クレーム客と思われトラブルの元になる
③怪しいお店の可能性が大きい

そもそも、キャバクラのスタッフなどは、リテラシーが低い可能性が高く「カード決済の加盟店ルール」などの話を理解できない可能性があり、自分達が悪いことをしていないと思っているお店も結構あります。

残念ですが、心の中で「あ~、損した」と思うだけにして、今後はその店には行かないようにするのが大人の対応と言えます。こんなことでトラブルを起こしては、カード手数料よりも大きな損失となるトラブルになってしまう可能性があります。

そもそも「クレジットカード手数料上乗せの行為」は違法行為にはあたらない!

まずは、下記のニュースを見て欲しい。

「カード決済の場合には手数料をいただいております」、本当は違法? 知らなかった意外な事

この記事でもわかるとおり、クレジットカードを管轄する法律の「割賦販売法」を所管する経済産業省の見解ですが、

「割賦販売法は主にカード会社と消費者との取引に関する法律。従って、カード会社と加盟店との取引や契約については特段関係がない。カード会社が加盟店に課す規約で、手数料を禁止する項目があるというのは聞いているが、法律上で規制することはない」

という結論が出ており、それは加盟店と消費者の問題であり、法律違反には当たらないのです。ですから、加盟店ルールをもとにして、クレームや通報をしてもあまり意味がありません。

お店を出た後に、後日カード会社に通報するのも無駄です

腹が立って、後でそのお店が使っているカード会社に電話するのも無駄です。というか、キャバクラの場合領収書が出ますが、レシートがないのが一般的です。レシートがなければ、その会社が使っている「カード会社」や決済代行会社を特定することはできません。

仮に、なんらかの方法で、そのお店が導入しているカード会社が判明して、電話で通報したとしても、カード会社側もルール違反ではありますが、加盟店が減るのも嫌がります。キャバクラにしても「御社がダメなら他でカード決済を導入する」ということで済むので、実際に通報から、加盟店から除外されるケースは稀です。

そして、何よりこの行為は「加盟店違反」ではありますが、「法律違反」ではないため、大ごとにはならないからです。

町のお菓子屋さんにも「3,000円以下の方はカード利用できません」とありますが、それも加盟店ルール違反!

キャバクラを例にとりましたが、実は普通のお菓子屋さんなどでも「会計が3,000円以下の方はカードが使えません」という表示はよく見かけるのではないでしょうか?

クレジットカードを使える金額に制限をお店がするのも、加盟店ルール違反です。しかし、この場合であってもお店のスタッフに「これは加盟店違反です!」と言っても、店員が意味をわかっていない可能性もあり、トラブルの元となります。

お店にしても原価や利益率を考えると、カード手数料の3~7%は大きな負担となるために、このような制限をつかっているのでしょう。そういった街のお店にも2021年6月末まで決済手数料が0円のPayPayがだいぶ流通してきました。

しかし、そのPayPayであっても、普及し終わったころには決済手数料が3%程度とられるために、おそらく今後はPayPayなどのQRコード決済においても「5,000円未満はPayPayお断り」という看板を普通に見かけるようになると思います。

【例外もある!】「都税」にはカード手数料負担がユーザーに乗せられている!

クレジットカード決済手数料をユーザーに負担させるのは、加盟店規約違反となりますが、例外もあります。下記をご覧ください。下記は東京都税のホームページの画像です。

◆都税は決済手数料をユーザーに求めている?

画像引用:東京都ホームページ

理由は、よくわかっておりません。知り合いのカード会社の人に聞いても「なんで加盟店違反にならないのでしょうか・・。わかりません」と言っておりました。このように、決済手数料をユーザーに求める例外ケースがあることもあるのです。

こんな時代もあった!?クレジットカードを使う時は「すいません」とお店に一言言うのがマナー?

下記のリンクによると、かつて日本には、カードを使う前に「すいません」と一言、お店の人に言わなくてはいけないマナーが存在した?とネットで少しだけ話題になりました。

参考記事:「こんなマナーあったんだ…」お店でクレジットカードを使う時はお店の損になるので『すみません』のひと言を付けなければいけなかった

クレジットカードが普及していない30年以上前のマナーらしいのですが、お店側からしてみると、売上の入金も遅く、手数料をとられるクレジットカードを使う客は迷惑そのもの(だったら、クレジットカード導入しなきゃいいのに・・、と思いますが)だったようで、こんなマナーが生まれたのかもしれません。

現代は、キャッシュレスの時代に突入しており、このような経営者は少なくなってきているはずです。クレジットカードやキャッシュレスを導入して、閉店後にレジ計算の負担を少なくしたり、現金を店に置かず、セキュリティや店員による、売上の中抜きなどがないというメリットも忘れてはいけません。

まとめ:カード決済手数料を負担させられたりしても、クレームなど入れずに、そのお店には二度と行かないようにするのが一番!

繰り返しになりますが、カード決済の手数料をお客さんに求めるのは、カード会社のルールでNGではありますが、下記のように

✔店員が、カード手数料を負担するのは悪いことだと思ってない!
✔クレームをするとトラブルに発展する可能性も
✔後日、カード会社に通報しても、お店にペナルティは発生しない可能性が高い

意味がないだけでなく、トラブルの可能性もあるので、そういう店には二度といかないようにする!というのが正しい行動となります。

もし、仕返ししたい場合には、せいぜいGoogleや食べログの口コミに「このお店は加盟店違反を行っている」と書き込むくらいでしょう。ただ、Googleの口コミは本名がバレる場合もあるので、その場合もトラブルに発展しないように気をつけてください。

SNSでもご購読できます。

コメント

  1. 麻友子 より:

    興味深く拝読しました。
    カード会社に、”現金払いとカード利用では10%価格が違った”と連絡を入れたら、店名と電話番号を聞かれ、即返金させます、と返答があり、実際お金が戻ってきましたので驚きの内容でした。もちろん、そのようなお店に再訪は致してはおりませんが。

    1. 井幡 貴司 より:

      コメントありがとうございます。返金できるケースもあるんですね。非常に勉強になりました。そして、そのようなお店には2度と行かないのがベストですね!情報ありがとうございます。

  2. あず より:

    2度と行かないのがベストなのは同意しますが、規約違反を放置していると自分以外に新たな被害者が増える結果となります。
    レシートを保管したうえで、できる限り通報するよう推奨すべきかと思います。

  3. Mayo より:

    銀座の一流と言われてるクラブでも手数料を当たり前のように請求されました…。
    一流じゃなく、三流ですね。
    根本的にはカード会社との規約を無視している店側が悪いのです。
    規約が守れないなら、カード決済なんか導入しないことです。
    こんな簡単なことが理解できないのですね…。

  4. アレキサンダー より:

    世の中には足し算引き算が出来ない大学生がいるのです。初めて聞いた時は何かの冗談かと疑いました。それで単位が取れてしまうそうです。びっくりですよね。
    つまり頭が悪いから規約すら守れないのです。
    せめて小学生でも理解できるレベルの事を大学生にやらせてドヤ顔するのだけはやめていただきたい。
    でもまあ規約に限らず馬鹿はどうにかしたいところですよね。

  5. パンダヒーロー より:

    むしろ自分のイシュアにお店の名前・住所、利用しようとした日時等を伝えて、利用金額(上限・下限)による拒否、あるいは手数料の上乗せがあった事実を指摘し、先方のアクワイアラから是正指導をしてもらう方が自分のためにも他のお客のためにもなると思います。

    三井住友カードさんなどはとても熱心で、アクワイアラが分からなくても、それまでの利用明細からイシュアを特定した上で連携して対応してくれます(Webフォームから分かる範囲で情報を投稿するだけで済みます)。現金等、別の手段で支払わされた結果、仮にその店での利用履歴が残らなくても、他の会員の利用明細から辿るなどして加盟店及びアクワイアラを特定してくれるようです。
    また行く可能性があり、お店との関係を悪くしたくないことも多いでしょうが、その場合は名前を出さずに調査・指導してほしいといったお願いもできました。スリップやレシートをもらえなかった場合でもあきらめるのは早い気がします。

    わたしは、床屋、お土産店など、色々なところで下限金額が店頭に書かれていて使えなかったことがあります。また、何も書かれておらず、機材も明らかに正常に見えるのにカード利用にいい顔をしなかったりした昔ながらの古本屋などもありました。

    その場で、「お店屋さんとカード会社の間の決まりで本当はこうした拒否をしてはいけないのですよ」とやんわりと伝えても受け入れられなかった場合は(そんなルールがあるのを知らなかったと言われ、これだけで使わせてくれたことも)、後ほど通報しました。加盟店手数料を考えて確信犯でやっていたり、高額利用を前提とする大昔のクレジットカードの慣習を何となく今も引きずっていたりするのでしょうが、効果は絶大で、しばらくして使えるようになったところが多かったです。

    アヤシイ系のお店は分かりませんが、一般的な業態のお店であれば、言ってみる価値は十分にあるかと…
    カード会社からも結構感謝されました。どしどし教えてくださいねと(笑)

  6. satiko より:

    >>お店を出た後に、後日カード会社に通報するのも無駄です
     クレジット関連で仕事してます。こちらの表現は少し誤解を与える可能性があります。
     カード会社の采配によりますが、現代では、カード会社へ連絡すれば、
     手数料を返金してくれるケースの方が多いと思います。
     ※レシートが無くても連絡してください。カードの利用履歴から加盟店は調べられます。
     
     ACQも昨今は加盟店規約に厳しい会社が多い印象です。
     規約違反を是正しない場合は加盟店から除外されるパターンが多いと思います。
     また、ACQ変更を変更すれば良いとのことですが、
     信用情報に傷が付いた場合は加盟店審査が通らなくなります。 

コメントを残す

*