決済会社最大手のGMOペイメントゲートウェイ(以後、GMO-PGと表記)の子会社として、2014年にGMOグループの後払いの決済会社として設立されたのが、GMOペイメントサービスです。
マーケットでは、保証付き後払い決済のニーズが高まっており、「NP後払い」や「後払いドットコム」なども成長しているのを受け、大手のGMOグループも参入したのです。
しかし、なぜGMO-PGは、自社ではなく、似たような名前の子会社を作って別会社で「保証付き後払い決済」を始めたのでしょうか?
保証付き後払いというのは、まだ法律的にも、グレーなところがあり、何か起きた場合のリスクを本体のGMO-PGに影響しないように子会社にした背景があります。
つまり、保証付き後払いは、現在急成長しておりますが、業界的にリスクがある方式でもあるのです。
本日は、元決済代行会社出身の筆者が、GMOペイメントサービスの評判と考察を、後払い保証付き業界を踏まえながら解説いたします。
GMOペイメントサービスの特徴は?
GMOペイメントサービスとは、GMOグループの保証付き後払いに特化した決済会社です。保証付き後払い分野では「NP後払い」や「後払いドットコム」が先行しており、後発のため、この2社には加盟店数は圧倒的に差がつけらております。
しかし、後発のメリットもあり、立ち上げ当社からリアルタイム与信に対応したりと、業界最大手の「NP後払い」が対応できていないことも対応しており、こういったとことはさすが、GMOグループと言えると思います。
また、親会社のGMO-PGとは完全に連携できており、業界ナンバー1のGMO-PGのお客さんから、後払いの要望があれば、スムーズにGMOペイメントサービスの営業を紹介されるので、これは大きな強みです。取り扱い残高も順調に増えているようです。
これから後払いを導入したい企業は、最初からリアルタイム与信に対応しており、かつ大手のGMOグループですから、GMOペイメントサービスが有力候補になるでしょう。
しかし、GMOペイメントサービスを知るには、まずは「保証付き後払い」の業界の課題について知る必要があります。
覚えておこう!保証付き後払いの課題とは?
ZOZOタウンにも、ツケ払いとして、保証付き後払いが採用され、急激にマーケットが伸びています。しかし、インターネットニュースで、支払いに困った未成年がたくさんでたことから、下記のような記事が取り上げられました。
つまり、クレジットカードがない未成年でも、ツケで、服をどんどん服を購入することができるため、支払いに苦しむ未成年の声がネットニュースなどで話題になりました。このサービスは未成年は本来、保護者の同意がないと、加入できないのですが、規約の中で、触れているのみで、実際に親に同意を得ているわけではないため、リテラシーの低い若年層が次々と服をツケ払いで買いはじめたのです。
この騒ぎが大きくなれば、今後、国の規制が入るかもしれません。
もともと、後払いのビジネスモデルは法的にはグレーなのです。なぜなら貸金のサービサー業務は基本、弁護士しかできません。しかし、後払いとは、そもそも債権の回収ではなく、商品代金の支払い案内業務という形で運営しております。
ですから、これが国から「これは実際は貸金じゃないの?」という指摘が入れば、法規制になる恐れも、あるのです。今後、未払いの未成年が増えて社会問題化すれば、法規制が入ることも予想されます。
GMOペイメントサービスの雰囲気は?
親会社のGMO-PGからの転籍・出向がほとんどですから、親会社と雰囲気は同じでしょう。親会社のGMOペイメントゲートウェイについては、下記をご覧ください。
ですから、GMOペイメントサービスもバリバリの営業会社という雰囲気になります。
GMOペイメントサービスのサポート体制は?
後払いのビジネスモデルは、対消費者のサポートを充実する必要がありますから、充実していると思います(確認したわけではないので、推測になります。)
GMOペイメントサービスのシステムは?
親会社のGMO-PGで実績がありますから、NP後払いが対応していない、リアルタイム与信でも不具合はないでしょう。
GMOペイメントサービスの手数料は?
手数料は後発のため、安く設定されています。こういった面からも、後払いを検討するなら、GMOペイメントサービスが第一候補となることは間違いありません。
GMOペイメントサービスのライバル会社は?
NP後払い、後払いドットコム、ニッセン後払い などがライバルですが、特に意識しているのは、後払い最大手のNP後払いです。加盟店数では、圧倒的に負けております。しかし、後発ゆえに、システムや手数料で、GMOペイメントサービスにメリットがあります。
GMOペイメントサービスのパートナー戦略は?
GMOグループの特徴として、ECプラットフォーム会社等とのパートナー戦略は重視しています。ですから今後も徐々にパートナー施策は拡大していくでしょう。
GMOペイメントサービスのまとめ
決済代行会社の最大手のGMO-PGの子会社でもありますから、ノウハウを含めて、安定したサービスを受けられるでしょう。
懸念は、業界全体ではありますが、ZOZOタウンのような若年層に対するツケ払いの件と、延滞率です。延滞率がどの程度で収まるのかがキーになります。債権というのは、払うのが遅れるほど、延滞率が上がますが、後払いは2カ月間に支払いが伸びることで、延滞率の悪化が懸念されます。
こういった業界の課題にGMOペイメントサービスはどのように取り組んでいくのでしょうか?サービスが拡大していくにつれて、以後注目ことになるでしょう。
なお、GMOペイメントサービスなどの決済代行導入検討の方は、GMO以外の会社から一括問い合わせで、複数社からアイミツをとってみてはいかがでしょうか?決済は一度導入してしまうと、決済代行会社を変更するのは非常に面倒ですから、手数料を含め複数社から検討するのが良いでしょう。
決済代行の将来ですが、EC情報を持っているので情報銀行やPDSの側面での成長はないでしょうか