決済代行会社の個性や特徴、差別化要素というのは、なかなか一般の人にはわからないとおもいます。事業者が決済代行会社を選ぶときには3つのポイントがあります。
ポイント①価格・コスト
ポイント②担当者が優秀かどうか?
ポイント③サポート体制・サポート力
です。よく、この業界を知らない人が適当に決済のシステムを差別化ポイントにしていますが、どの大手決済代行会社も「トークン型」「モジュール型」「リンク型」の全てのシステムに対応しており、差別化要素はないので、決済代行会社を選ぶときのポイントになりません。
では、一つずつ決済代行会社を選ぶポイントを解説して参ります。
ポイント①価格・コスト
決済代行会社に支払う価格やコストとは3つあります。
(1)導入コスト
顧客にとって導入コストは値引きが一番できるコストです。
なぜなら決済代行会社はここで収益を稼ごうとは考えておらず、月々の支払いがメインの収益源だからです。ですから、決済代行会社は見積もりに最初は結構大きな金額を出して、大きな値引きをします。(担当営業の腕の見せ所ですね)
逆に顧客側も、導入コストは削る余地があるので、ここで値引きを要求してもいいでしょう。なぜ値引きが可能なのでしょうか?
それは決済代行会社というのは、ストックビジネスであり、決済のシステムは一度導入すれば、ほどんどのお客さんは、決済代行会社を変更しようとしません。
なぜなら決済の変更はシステムの変更をともない、そのシステム改修費用の大きさを考えると、多少他の決済代行会社の方が月々安かろうと、システム改修費用を回収するには長い月日が必要になり、決済代行会社の変更の検討は事業者では滅多に行われません。
一度導入さえすれば、決済代行会社は変更されずらいため、導入費用は決済代行会社にとって”儲ける”ポイントではないのです。ですから導入費用は値引きが可能なのです。
(2)月額の固定費 と データ処理料金
この費用こそ、決済代行会社の大きな収益源で、1社1社のこの請求金額は微々たるものですが、解約される心配がほとんどないビジネスなので、チリも積もれば山となります。
一度決済を導入されれば、解約される可能性が少ないため、どんどん毎年収益が増えていくビジネスなのです。
(3)クレジットカード手数料
カード会社との利ザヤが、決済代行会社にとっての収益となります。
大手の決済代行会社ほど、カード会社に多くのお客さんを紹介することができますから、カード会社も大手の決済代行会社には、安い手数料を用意します。そして大手はそこに利ザヤを載せて、事業者に提供しますので、大手ほど利ザヤで稼いでいます。
しかし、この情報は開示されていないので、顧客は知ることはできません。
ポイント②営業担当は優秀か?
私はこの業界に10年以上いましたが「○○決済代行会社は全員担当営業が優秀」と言う話は聞いたことはありませんし、どの決済代行会社にも、優秀な営業担当と、そうでない営業担当がいるものです。だからここは顧客にとっては運になります。
だから、提案時に誰が担当するかを聞いて、提案者が引き続き決済の担当で、その営業が優秀と感じるならいいですし、そうでないなら、他の決済代行会社を検討せざるをえないでしょう。
ただ、営業社員数が多いということは、それだけ優秀な社員も多いということになります。
ポイント③サポート体制・サポート力
このポイントは、企業努力のたわものです。実力のある決済代行会社ほど、サポート体制に力をいれています。具体的には、人員の数や、トークスクリプトの整備があげられます。
顧客側も一度、導入すれば決済代行会社の変更は、なかなかできません。だから導入する時こそ、長く付き合うことになる決済代行会社のサポート体制は重要な要素になります。
決済代行会社の営業の話では、客観性に欠けますので、契約前にサポートに電話して、サポート力を試してみるのもありだと考えています。