ECサイトを運営して、黒字ではあるものの、下記のような悩みがあるのではないでしょうか?
「ECサイトの売上が伸びない!」
「何を改善すればいいのか、わからない!」
「リピーターを増やす施策はあるのか?」
ECの売上が頭打ちになった時、頼りになるのがECコンサルティングです。
経験豊富なECコンサルタントは、数十から数百のECサイトのコンサルティングをしており、カート回りを中心に改善を行い、改善施策から数ヶ月後には対前年の200%以上の売上向上を実現するでしょう。
しかし、気をつけて欲しいのは、ECコンサルタントを名乗りながら、20代前半の経験のないコンサルタントや、実は広告やEC改善ツールの販売が目的のコンサルタントではなく、本当のコンサルタントに依頼しなくてはなりません。
なぜなら、世の中のWEBやECのコンサルタント8割はこういった方々であり、凄腕コンサルティングは一握りの会社だけだからです。
本日は、ECコンサルティングの手法を解説するとともに、記事の最後に筆者がおススメするECのコンサルティング会社を紹介いたします。
ECサイトをコンサルティング事例
まず、コンサルティングを受けると、どれくらいの効果があるのでしょうか?筆者が5年前に所属した会社で受けたコンサルティングの事例ですが、結論から言うと、CVRが対前年の130%に向上しました。
コンサルタントは、Google Analyticsや売上データを分析。そこから新規ユーザー行動の競合他社との比較において、負けている仮説を立て、商品ページやTOPページでの訴求を自社の強みを訴求したサイトから、ユーザーニーズに合わせたサイトに改善提案を行いました。
◆筆者がサービスを受けたコンサルティング事例
マーケットに競合が増え、売上が年々落ちてきていたのですが、データ分析により、ボトルネックがある場所を特定し、改善に結びつけたのです。
この成功はデータ分析によるものだけではなく、優秀なコンサルタントは、過去の数百のコンサルティング経験により、改善ポイントをほぼ完全に特定することが可能です。この事例の場合は、たった対前年度130%の改善でしたが、クライアントによっては10倍以上の業績を伸ばす事例も珍しくはありません。
このように、プロのコンサルタントに依頼をすれば、売上や業績を伸ばすことは難しいことではないのです。ただし、このケースでは1000万円以上の費用がかかっており、一流のサービスをしっかり受けるのは安くはありません。
ECコンサルティング会社とは?
どの分野においても、コンサルティングというと定義があいまいで、これからコンサルを受ける立場としては、不安や疑問があるでしょう。まずは、自社の課題から、どのようなコンサルティングを受けたいのか?明確にしましょう。
ECにおいてのコンサルティングは多岐にわたりますが、ザックリと下記の4種類があることを念頭に入れて、必要なサービスを検討しましょう。
◆4つのECコンサルティングとは?
①自社ECサイトの売上を改善するコンサルティング
②楽天やAmazonでのショッピングモールのコンサルティング
③ECシステムを含め、業務フローを改善するコンサルティング
④ECコンサルタントを名乗りながら、実は広告やツールの販売
①自社ECサイトの売上を改善するコンサルティング
自社ECサイトの売上を改善するために、コンサルタントは、WEBマーケティングの観点から現状分析を行います。分析結果から、売上がボトルネックになっている部分を特定し、改善施策を提案します。
改善施策の実行(WEB制作やカートのシステム変更)は、コンサルタント会社ではなく、コンサルタントのパートナーの制作会社や、クライアントの制作会社が、コンサルタントから指示を受けて実行しますので、コンサルタントに依頼の際は、別途ECサイトの製作・改修費もかかることを念頭に入れて予算取りを行います。
プロジェクトは2ヶ月から半年間のものから、定量的に毎月コンサルティングを行うサービスもありますが、筆者の経験ですと、定量課金のサービスは、費用も安いのですが、抜本的な改善に結びつかない傾向があります。
なぜなら、ビジネス上、コンサルティング会社は費用によって、コンサルタントのリソース配分が決まりますので、月々数万円の報酬では、得られる分析結果や課題も少なくならからです。また、コンサルティング会社によっては、こういったサービスを重点的に展開している会社もありますが、データ分析の丸投げをしただけで、期待の効果は得られません。
②楽天やAmazonでのショッピングモールのコンサルティング
自社ECと違い、楽天やAmazonでの、モールで競合と差別化を図るには、専門のノウハウが必要となります。
例えば、楽天サーチ検索で、上位に持っていく手法や、検索結果の画面で、ユーザーに選んでもらえる商品名のつけ方。あるいは、楽天やAmazon内の効果的な広告やキャンペーンの使い方などです。
こういったショッピングモールのコンサルティングも、コンサルタントは過去の改善事例から、成功のテンプレートを持っており、大きな成果をあげることは可能です。
なお、楽天の営業は「ECC(ECコンサルタントの略)」と名乗っていますが、彼らはコンサルティング業務より、楽天内のキャンペーンの営業を行う業務が中心で、従来のコンサルティングではありません。
③システムを含め業務フローを改善するコンサルティング
ECコンサルティングというより、ITコンサルティングになります。ECに携わる全ての部署からヒアリングを行い、業務フロー図を作成、そこから非効率なポイントや、ITでのソリューションポイントを提案し、改善します。
年商10億円を超えると、ECのバックエンドも改善していかないと、利益を出しづらくなってきます。また、基幹システムや、自社の顧客データベースの連携なども、こういったコンサルティングの範疇になります。
古いECシステムの入れ替え時に依頼されることが多いです。
④ECコンサルタントを名乗りながら、実は広告やツールの販売
とにかく自社ツールや広告の導入目的に行うコンサルティングが該当します。名刺には「ECコンサルタント」や「アナリスト」などの肩書がありながら、実は営業というケースが業界には多々あります。
こういった方に、ECサイトの売上の相談を行っても、自社サービスありきの説明しかできないでしょう。なぜならそういった方は、自分でECサイトを運営した経験がないからです。
もちろん、ECのツールには優れた接客ツールなどあり、導入するだけで、売上を伸ばしてくれるツールも存在しますが、それはツールの話であり、コンサルタントの技能の話ではないからです。
以上、4つのECコンサルタントの紹介をしましたが、本日は①の「自社ECサイトの売上を改善するコンサルティング」を例にとり、どのような改善手法を行うのか解説いたします。
ECコンサルタントが自社ECの売上を行う7つの手法
ECコンサルタントが行う代表的な7つの手法を解説いたします。
手法1:自社ECサイト商品・サービスの強みや特徴の整理
商品力が強ければ、広告はほとんど必要がありません。ブランド力のあるECサイトには、実はWEB広告予算をほとんど使っていない会社はたくさんあります。インターネット広告を行わなくとも、ユーザーが自社サービス名で検索してくれるからです。
このことからもわかる通り、商品力はECサイトの売上と直結しますので、コンサルタントは、手始めに商品(サービス)の強みと特徴を整理するところからはじめます。
あなた「そんなこと言っても、うちは販売代理店のようなものだから商品力を自分たちで決められるものではない!」
と思うかもしれませんが、商品力とは、商品のラインナップも、商品力の一つです。例えば、あなたのECサイトでしか手に入らない商品があれば、それも商品力です。単にマーケットで売れる商品を販売することだけでなく、世界中のECであなたの店にしかない商品があれば、それは商品力です。
また、競合ECサイトと同じ製品であっても、ユーザーが実際に使用するシーンを踏まえた商品説明や、商品写真を設置できているか?あるいはECサイトのこだわりが伝えられているのか?
自社で商品を開発しない場合においても、商品力は関係があるのです。商品力が乏しい状態で、いくら広告費をかけて、WEBマーケティングを行っても売上は伸びません。
ですから、ECコンサルタントは、まず扱っている商品と、その競合環境の調査からはじめるのです。
手法2:ECサイトや、売上データの分析
Google Analytics のデータや、ECシステムからダウンロードする売上管理のデータから、ECサイトの現状を分析します。
しかし、コンサルタントは、実は案件を受注した時から「ボトルネックはここでは?」という仮説を最初から持っており、それをデータで裏付けをとるためにデータ分析を行います。
なぜなら、ECコンサルタントには豊富な過去のコンサル実績があるため、その過去の勝ちパターンは、ほかのECサイトにおいても、ほぼ適用可能なのです。例えば「カート回りの改善」です。※カート回りの改善については、(6)で解説します。
ですから、データ分析は、課題を発見するというよりは、コンサルタントが持っている仮説を証明するために行うことが多いのが実情です(数字のデータだけで、改善施策はなかなか出せないものです)。
手法3:リスティング広告やSNSでの集客の改善施策
広告流入毎のクリック数や、CV数を比較し、集客の改善施策を行います。主にリスティング広告のテキスト文章の改善や、出稿キーワードの拡張に注力することになります。
なぜなら、SEO施策などは即効性がなく、長期的施策になり、コンサルティングの効果が見えづらく、集客施策は、短期的に効果のあるリスティング広告の改善に着手することがほとんどです。
また、昨今はスマートフォンの普及により、ユーザーはインターネットの検索行動を行わずアプリで過ごすことがおおいため、広告予算が多い会社には、ネイティブ広告や、FaceBook広告なども提案されることが多いです。
手法4:商品ページまでの導線の改善
代表的な導線の改善にカテゴリー名があります。ユーザーの欲しい商品がどのカテゴリーに属するか、わからず、ユーザーが商品を発見できないケースがあります。もちろん、カテゴリー名がわからなくても、商品検索ボックスや、Google検索で発見することはできますが、ユーザーにその行動を求めてはいけません。
また、レコメンドや、人気商品のランキング表示の見せ方、売上に直結します。レコメンドツール導入の最適化もできますが、大部分は、文言の回収で大幅に改善できます。
ECコンサルタントは、有力商品の見せ方や、カテゴリー名の最適化などのノウハウがあります。ユーザーの離脱率を下げる提案がなされます。
手法5:商品ページの改善
商品を魅力的に魅せること、写真をたくさん用意することなどは当たりまえです。ユーザーの多くは商品ページで購入ボタンを押しません。その大きな理由が、購入後の不安要素です。例えば、配送日や返品に関しての不安です。
これらの不安は、どのECサイトであっても記載されていますが、その記載方法が悪く、ユーザーが発見できなかったり、細かくて読む気が失せたりしているのです。
商品を魅力的に表示することと同じくらい、購入までの不安要素を払拭することが大切です。
手法6:カート回りの改善
ECコンサルタントが本領を発揮するのは、カート回りの改善です。ECサイトに訪れる人の90%以上は、何も買わずに離脱します。その中の一定数は、カゴ落ちです。
カゴ落ちとは、カートに、商品を入れたまま離脱するユーザー行動です。実はこのカート回りの改善を徹底的に行うことで、売上の120%~200%(対前年度)は可能なのです。
極端な例ですが、メインユーザーが10代の場合で決済方法がクレジットカードのみの場合は、メインユーザーの10代のユーザーはクレジットカードを持っておらず、離脱してしまいます。ですから、コンビニ後払い決済を導入する改善を行うことなどです。
または、エラー表示が多いエラーを把握し、例えばクレジットカード番号入力エラーを減らしたらリ、サポートのポップアップをスムーズにだすなど、徹底的にカート回りの改善を行います。
このようにカート回りの改善は、コンサルタントがもっとも成果を出しやすいポイントなのです。
手法7:リピート施策の改善提案
EC事業者に多い悩みが、リピート施策です。集客努力により、ある程度の売上を達成できるEC店舗も、リピーター施策はなかなか上手くいきません。
その理由は、メルマガやキャンペーンなど小手先の施策で、リピーターを増やそうと考えていることが多いからです。ユーザーを一人の人間と考えた場合、ユーザーは、どういったサイトで、何度も買い物をしたいのでしょうか?
それには、まず「一度の買い物で終わる新規顧客」と「何度も買い物する優良顧客」がいることを念頭に置かなくてはなりません。新規顧客の中には、優良顧客の候補が必ずいます。ですから、全員をリピート客にするようなコミュニケーションではなく、好きなユーザーには、とことん情報を提供できる場を提供します。それは、アプリとSNSです。
◆リピート施策
①自社アプリによるPUSH通知や商品案内
②FaceBookやInstagramのアカウントへの案内
つまり、無理にすべてのユーザーを囲い込むのではなく、全顧客の中から一定数の優良顧客に、自社製品の情報を受け取ることができる場を用意することです。
つまり、リピート施策とは、囲い込みより、自社ECサイト(SNSやアプリを含む)との接触頻度を増やす施策がメインになります。
ECコンサルタントで失敗するケース
ECコンサルタントを依頼して、失敗する代表的なケースは2つあります。
(1)自社の情報公開を限定的する
よくある例ですが、自社の情報をコンサルタントに公開しないケースです。
昨今セキュリティーなどが厳しい背景もありますが、根本には、依頼主の部門長や社長の方針がクローズな会社であるケースが多いです。この問題は、情報が少ないことにあるというよりは、コンサルタントとの信頼関係がないことです。信頼関係がない場合は、コンサルタントが改善提案を出しても、
企業担当者「いや、そんなはずはない!そこはちゃんとやっている!」
などと、根拠もなく、EC事業者の独断で、意見が相違するケースです。信頼関係がなければ、改善も進まず、プロジェクトは途中で頓挫するか、中途半端な形で終焉を迎えることになります。
コンサルティング会社と契約したからには、情報を公開し、信頼関係を持って仕事を進めなくては、成功は難しいです。
(2)意見を聞きすぎるコンサルタント
自社にアサインされたコンサルタントが、自社の要望や意見を全て取り入れようとするコンサルタントは危険信号です。そもそもクライアントだけで、上手くいかないから、外部のコンサルを入れているのですから、こちらの意見を全て取り入れる改善など、上手く行くわけがありません。
優秀なコンサルタントは、やるべきことの優先順位がはっきりしており、良い意味でクライアントの意見を聞き流します。(華麗にスルーされます)
優秀なコンサルタント「なるほど~!(と言っているが実行しない)」
全ての意見を取り入れようとするコンサルタントには、若い経験不足のコンサルタントに多い特徴です。このようなコンサルタントがあたった場合は、先方の上司に相談してみましょう。
おススメのECコンサルティング会社2選
本日はECコンサルティングについて解説しました。もし、過去にコンサルティングを受けておらず、プロのコンサルティングを受けることができれば、ある程度、売上を改善するのは間違いありません。しかし、それには
(1)良いコンサルティング会社を見極めること
(2)コンサルタントを信じ、情報公開を行うこと
(3)報酬をしっかり払い、モチベーションを下げる値切りなど行わないこと
以上の3つを守ることが大切です。ECコンサルタントには、数万円のコンサルから数千万円の料金があります。しかし抜本的な見直しをするには、最低でも数百万円のコンサルティング費用がかかるのが実情です。
費用で悩む前に、まずは相談してみてはいかがでしょうか?筆者が紹介するおススメのコンサルティング会社は下記の2社です。
株式会社いつも.
株式会社ペンシル
この2社は、業界でも老舗のECコンサルティング会社なので、安心して問い合わせできますよ。