決済代行会社大手のDGフィナンシャルテクノロジー(旧:ベリトランス)は、中規模以上の大手企業に多く導入されている決済代行会社です。その特徴は、インターネットが黎明期の1997年に創業し、決済代行会社の中では、GMOペイメントゲートウェイとともに業界の老舗です。
昔からセキュリティーやシステムに関して意識の高い会社のため、そういったことを特に大事にする大手企業にに多く導入されてきました。また黎明期から決済代行をやっていたため、物販系の会社への導入も多いです。
本日は元決済代行会社出身の筆者が決済代行会社の大手DGフィナンシャルテクノロジーについて、他の評判サイトには決して書いていない、業界人にしかわからない評判と考察を解説します。
DGフィナンシャルテクノロジー(旧:ベリトランス)の由来・歴史
DGフィナンシャルテクノロジーはGMOペイメントゲートウェイと同じく、決済代行という業界が確立されていない時期から創業しており、GMOペイメントゲートウェイとならぶ老舗です。
そしてDGフィナンシャルテクノロジーは当初はクレジットカード決済からスタートして、コンビニ決済や電子マネー決済など今では当たり前の決済のサービスを最初に手掛けたのもDGフィナンシャルテクノロジーです。
DGフィナンシャルテクノロジーは元々「サーバーキャッシュ」という社名でスタートし、2002年にベリトランスという社名に商号変更しました。
その後、親会社がソフトバンクグループからSBIに、そして2012年にデジタルガレージに買収され、2021年にベリトランスから商号変更し、現在の「DGフィナンシャルテクノロジー」となりました。
SBIからデジタルガレージに売却された背景はよくわかりませんが、発表時期(SBIHの決算直前)とSBIHの決算内容から推測するに、親会社の業績が影響していたっぽいです。
一方デジタルガレージは、すでにグループの決済代行会社にイーコンテクスト(econtext)というコンビニ決済専門の会社があり、クレジットカードに強い決済代行会社のDGフィナンシャルテクノロジー(旧ベリトランス株式会社)を買収することで、グループ内の決済代行会社において補完関係を補うのが狙いでした。
デジタルガレージの子会社の収納代行会社。コンビニの収納では名前が売れています。小話を言うと、現在はDGフィナンシャルテクノロジー(旧ベリトランス株式会社)と同じビルの同じフロアにオフィスがあります。2021年に組織変更があり、DGフィナンシャルテクノロジーがイーコンテクストの決済事業を継承しています。
DGフィナンシャルテクノロジーの特徴
まずDGフィナンシャルテクノロジーは中規模以上の大手企業がターゲットです。
DGフィナンシャルテクノロジーはベリトランス時代の昔から、システムやセキュリティーへの取り組みが評価されています。とくにセキュリティーの意識は高く、セキュリティー基準のPCI-DSSを決済代行会社として一番最初に取得していることからもわかります。
DGフィナンシャルテクノロジーは海外展開も積極的で、銀嶺やPaypalをいち早く導入してきました。また親会社のデジタルガレージはアジアに目を向けており、越境ECなどをサービスとして展開に積極的です。
数年前、グループ会社で、イーコンテクストアジア(econtext ASIA)という会社を香港で上場しましたが、今は上場廃止したようです。
DGフィナンシャルテクノロジーの社内雰囲気は?
社員数
だいたい100人くらいです。営業は10名未満、15名くらいがサポートセンター、技術部が40人くらいです。その他の社員は管理部系社員になります。
DGフィナンシャルテクノロジーの雰囲気
DGフィナンシャルテクノロジーは”営業!!!”という会社ではないです。GMOペイメントゲートウェイが営業会社であって、どんどん営業をしかけていく会社に対して、DGフィナンシャルテクノロジーは技術力を売りにしています。お客さんには”過度な営業を受けたくない”というお客さんにはDGフィナンシャルテクノロジーは好まれています。
転職者も多く、同じ決済代行会社や、WEB広告代理店、カード会社出身と多岐にわたっています。
営業人数が少ないため、仕事量はものすごく多い様です。その為仕事に熱中できない人には向いていないかもしれません。ただ営業に限らず、どの部署も忙しそうですが。
ですから、実力をつけたい人は、DGフィナンシャルテクノロジーで経験を積むのは決済の業界では非常にいいキャリアを積めます。
ただし、DGフィナンシャルテクノロジーはデジタルガレージの子会社であり、親会社の意向を組まなくてはいけません。役員も親会社出身者のほうが多い様ですので、DGフィナンシャルテクノロジーの中途採用でのし上がるのは大変そうな印象です。
DGフィナンシャルテクノロジーの方向性というところは、正直なところデジタルガレージグループの売上に貢献することがミッションとなります。(こういったところはどの会社も同じですよね。)
DGフィナンシャルテクノロジーのサポート体制は?
サポートの品質はGMOペイメントゲートウェイと比べると、人数の違いもあり、負けている印象はありますが、業界内ではしっかりしたサポートをしている企業です。
昔のDGフィナンシャルテクノロジーは営業社員がしっかりお客さんをケアしていましたが、親会社のうつりかわりもあり、当時の社員が入れ替わってしまいました。
DGフィナンシャルテクノロジーの料金は?
GMOペイメントゲートウェイと同様に基本料金や初期費用をしっかりとります。しかしそれはサポートをしっかりするという裏付けです。しっかりした人的サポートを期待する会社は、GMOペイメントゲートウェイやDGフィナンシャルテクノロジーはおすすめです。
DGフィナンシャルテクノロジーのシステムは?
筆者のスタンスは、どの決済代行会社のシステムを使っても差別化要素はシステムにないというのが結論です。いまやどこも変わりがありません。
しかし、DGフィナンシャルテクノロジーは昔からシステムは安定しているという評判が業界内ではあります。ですから決済のシステムの安定性でDGフィナンシャルテクノロジーを選ぶものいいと思います。
下記の4つです。
①システムが止まらない
②データが壊れない
③システムが繋ぎこみやすい
④柔軟な運用に対応することができる
決済代行会社のシステムについては、こちらの記事で詳しく解説しております。
DGフィナンシャルテクノロジーのライバル会社は?
GMOペイメントゲートウェイです。お互いのターゲット企業が中堅以上の大手です。GMOペイメントゲートウェイも昔は、小規模案件が中心でしたが、昔戦略を中堅以上の規模に変更した経緯があります。
DGフィナンシャルテクノロジーの決済が向いている会社は?
中堅以上の大手で、営業担当がしっかりついて、サポートも相談できる決済代行会社をもとめる企業には、DGフィナンシャルテクノロジーはいいでしょう。ただしサポートの品質はどうしても人によります。
またシステムやセキュリティーに対する取り組みは他社に先がけているのも検討材料になります。(ただし筆者は、この点はどの決済代行会社も同じであり、差別化要素がないというスタンスです)
DGフィナンシャルテクノロジーの顧客は大手の物販が多いです。それは一番昔から決済代行としてクレジットカード決済を扱っていたので、物販の会社が「イーコマースをやりたい!」と言い出したのは2000年前半だったので、その当時の決済代行会社といえばDGフィナンシャルテクノロジーだったためです。
VeriTrans4Gってすごいの?
ホームページをみると、「VeriTrans4G」と全面に出していますが、大手決済代行会社であれば、どんな決済手段にも対応しているので、さほど差別化要素になりませんので、DGフィナンシャルテクノロジーのマーケティングです。
ただし、IVR(音声自動応答)
例えばテレビ通販で、コールセンターが顧客とのやり取りをする中で、クレジットカード番号のやり取りも行います。しかし残念ですが人が介在する以上、クレジットカード番号をメモッたり、するなど、どうしてもクレジットカード番号が洩れるのです。※これはフローの問題です、個別の会社の事を責めていません。
ですが、DGフィナンシャルテクノロジーのIVRを使えば、コールセンターがクレジットカード番号だけは、自動応答に変更して、プッシュホンの入力に切り替わり、入力が終わったらまた、コールセンターに音声がもどるという俊逸な決済ソリューションです。
DGフィナンシャルテクノロジーのパートナー戦略は?
主要のECシステム会社などとは提携関係にありますが、GMOペイメントゲートウェイほど活発ではないです。中堅規模以上のECパッケージ会社には、DGフィナンシャルテクノロジーの決済は標準導入されていますが、ASPカート系にはほとんど決済が導入されていません。
なんで、ASPカート系にはDGフィナンシャルテクノロジーが標準対応されていないのでしょうか?
それはDGフィナンシャルテクノロジーが大手への決済導入を目的としている企業で安くはないという側面もありますが、ASPカート系に導入している決済代行会社はすでに固まっております。
たとえ今からASP会社に交渉して「DGフィナンシャルテクノロジーの決済も標準対応にしましょうよ!」と仮ASPに交渉したとしても、ASPとしては「え、ほかの会社で決済はカバーできてユーザーは困ってないし、一社増えるのはサポートが面倒になるから嫌だ!」という話になるでしょう(こんなバカな話は実際にはありえませんが、この業界を説明するのにわかりやすい例なので、完全な例え話として説明しました)
ECシステムのリニューアルがある場合、決済代行会社にとっては「きたーーー!」という千載一遇の決済の営業かけるチャンスなのです。なぜならECシステムも、決済システムのリニューアルはコストも時間もかかり、一度導入されるとなかなか再検討されないのですが、ECシステムがリニューアルするタイミングで決済代行会社の変更も入りやすいのです。それとは逆に決済のシステムの変更が検討されるときは、ECシステムの見直しもありえるのです。ですから決済代行会社とECシステム会社のパートナシップは深いのです。他の業界をみても、これだけお互いの営業をかけるタイミングが同じ業界は聞いたことはありません。
DGフィナンシャルテクノロジーのまとめ
いかがでしたか?本日はDGフィナンシャルテクノロジー(旧ベリトランス株式会社)を解説しました。しっかりとしたサポートを受けたい大手には、良い決済代行会社ですよ。システムとセキュリティーには昔から定評があります。