法人カードで「年会費無料」のものは実は個人向けカードと同じ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

PR:本記事ではアフィリエイト広告を利用しています。

法人向けのクレジットカードを探している事業者であれば、なるべくコストを下げたいと考え、法人用で年会費が無料のクレジットカードに加入したいと考えていると思います。

しかし、カード会社にしてみると企業からの問い合わせが多く、手間がかかり、利益の少ない法人カードでは年会費を取らないと儲からないため、法人カードの年会費を無料にするのは厳しいのが現状ですが、個人事業主や零細企業向けにのクレジットカードとして「年会費無料」のクレジットカードは下記のようにあります。

ライフカードビジネス(スタンダード)

しかし、個人事業主向けの法人カードとは個人向けのクレジットカードとほぼ同じものなのです。

なぜなら、個人事業主向けの法人カードを作るときは会社の与信ではなく、個人の与信でクレジットカードを発行するタイプであり、実質個人用のクレジットカードと変わりがないために年会費を無料にできるのです。

本当の法人向けカードとは、従業員が20名以上の規模感がある企業で、カードを作る際の与信の時に「法人」を与信するタイプのものを指します。ですから、免許証などで経営者の個人与信をするタイプは、本当の法人向けカードとは言えない側面があるのです。

本日は、クレジットカード決済のプロの筆者が法人カードや年会費について詳しく解説いたします。

法人用のクレジットカードには2種類あり、年会費が無料なのは「個人の与信」のタイプ!

まず、これから法人用のクレジットカードを作ろうとしている方は、法人用のクレジットカードはざっくり二つのタイプに分かれることを覚えておきましょう。そして、年会費が無料であったり、年会費が1,000円程度の安いものはいずれもタイプ①です。

◆法人用のクレジットカード2種類

タイプ①個人の与信審査で作る法人用のクレジットカード
タイプ②企業の与信審査で作る法人用のクレジットカード

タイプ①個人の与信審査で作る法人用のクレジットカード

◆写真は「セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」

このタイプは、法人用のクレジットカードという立て付けではありますが、実際は企業の代表者の個人の与信をもとに審査を行い発行するクレジットカードです。ですから、企業として審査力の乏しい「個人事業主」や「設立まもないスタートアップ企業」でも、審査が通りやすいのがこのタイプのクレジットカードなのです。

そのため、このタイプのクレジットカードは、各社からサービス提供されていますが、いずれも

✔決算書不要
✔印鑑証明書不要

であることがほとんどです。その代わり

✔本人確認物

が必要なので、法人用のクレジットカードとなっていますが、カードの審査・発行というカード会社側のプロセスでは、個人の一般向けクレジットカードの審査・発行と同じプロセスを踏んでいるのです。

そして個人のクレジットカードの場合、最近ではゴールドカードにおいても「年会費無料」というカードが多くありますが、個人の与信で行う法人用のクレジットカードには、永久に年会費無料で提供しているカード会社もわずかに存在します。

例えば、下記の法人カード向けのクレジットカードです。

◆年会費無料のクレジットカード例

ライフカードビジネス(スタンダード)

※多くの法人カードが「初年度年会費無料」となっており、次年度からは年会費がかかります。

しかし、タイプ①、タイプ②に関わらず、法人用のクレジットカードというのは、カード会社から見ると企業からの「問い合わせ」が多く手間がかかり、年会費無料ではカード会社が利益が少なくなるので、年会費を取ることがほとんです。

個人の与信で作る法人カードでは限度額が足りなくなってくる!

また、タイプ①のデメリットは、会社の規模が大きくなってきた時に、限度額が足りなくなってくるという点です。例えば電気代をとっても会社の場合は月額10万円を超えるようになってきて、何かと経費や公共料金が増えてくるのです。

そして、それは複数枚のクレジットカードを作っても解決しません。なぜなら、カード会社はCIC等の信用情報紹介端末を使って、個人が「今、どれくらいカードを利用しているか?」を把握しております。

割賦販売法により、年収の3分の1までがクレジットカードの限度額であり、例えば、年収1,000万円の方の限度額約300万円です。年収1,000万円の方がクレジットカードを2枚所有しており、片方のカードで100万円を使っていれば、もう片方の限度額は200万円ということなります。

つまり、クレジットカードを複数枚作ったからといって限度額は枚数分増えるわけではないのです。なので個人のクレジットカードを会社用のクレジットカードとして使うには限界があり、個人の限度額では社員数が20名を超えると対応できなくなってきます。その時はタイプ②のカードを作るしかありません。

また、追加カードやETCカードの数にも限度があり、さらに追加カードは「三親等までの親族」などの規則がカード会社ごとに設けられております。

タイプ②企業の与信審査作る法人用のクレジットカード

◆写真はセゾンが提供する「UC法人カード ゴールド」

このタイプのクレジットカードはカード会社は企業としての与信を行いますので、審査には必ず、

✔決算書
✔印鑑証明書
✔会社のパンフレット(またはホームページ)

の3つが必要となります。ですから個人事業主であったり、設立まもないスタートアップ企業では審査が通りづらい可能性があるので、こちらはある程度の規模(20~30名以上の規模)のある会社が作るクレジットカードとなります。

このタイプのクレジットカードであれば、限度額もタイプ①より大きくなり、企業規模に合わせて追加カードやETCカードの社員数に応じて、発行することができます。

経営者個人がクレジットカードを作れない場合にもタイプ②の法人カードは最適

余談ですが、経営者の中には若いころに「やんちゃ」してしまったために、会社の代表という立場にも関わらずクレジットカードを作ることができない「ブラックリスト※」の方も存在します。

そういった社長さんは、与信で絶対にし個人用のクレジットカードを作れず、大変苦労していますが、タイプ②の法人カードであれば、会社の与信で会社用のクレジットカードを作れるので、個人用のクレジットカードを作れなくとも、会社用のクレジットカードを作ることができます。

なぜなら、必要のない場合にカード会社が個人の与信情報をCIC等で確認することは禁じられており、法人のカードを与信するときは、法人に対して与信をするものであり、会社の代表個人の与信情報をCICで参照してはしてはいけないのです。

ただし、カード会社はCICは見ませんが、カード会社固有の与信情報システムは参照するので、もし、過去にやんちゃしてクレジットカードが作れない経営者の方は、過去に迷惑をかけた以外のカード会社で法人カードを作る方が安心です。

※そんなリストは実際は存在しませんがここではわかりやすく表現します

なぜ、法人用のクレジットカードは、個人用のクレジットカードと違って、年会費が発生するのか?

タイプ①とタイプ②と解説しましたが、いずれのケースにおいても法人用のクレジットカードの年会費がかかります。

ではなぜ、個人用の多くのクレジットカードは年会費が無料なのに対して、法人用のクレジットカードは年会費がかかるのでしょうか?それは個人用のクレジットカードと違って、法人用のクレジットカードは、カード会社にとって手間が非常にかかるものだからです。

◆カード会社からみた法人用のクレジットカードの手間の一覧

・企業からの問い合わせが多い
・従業員カードの付け替えがたびたび発生

しかも、法人用のクレジットカードとなれば「取引額」が個人よりも大きそうなイメージがあるかもしれませんが、実はBtoBの世界では大口取引ではクレジットカードが使われることは稀です。なぜなら請求元にはクレジットカード手数料が3~7%かかるために、大口取引では請求書払いによる架け払いが一般的です。

そのため、企業でクレジットカードが使われるのは、

◆法人カードで使われる用途の一覧

・従業員の出張費用
・取引先接待
・ETCカード
・ネットショッピング
・サブスクリプション型ITツール
・公共料金・税金
・アスクル
・レンタルサーバー
・Google広告
・交通費

などに限られます。ですから、カード会社からみると法人カードは儲けが出にくいカテゴリーであり、カード会社としては年会費を設定しないと、利益を出しづらいビジネスモデルになっているのです。

また、法人カードは、手間がかかるために、少しでも利用者の手間が減るようにカード機能を追加開発しているカード会社が多く、そのためシステムの開発費用も個人向けカードのシステムよりも費用がかかるため、年会費が高くなる傾向になるのです。

あの「楽天カード」は法人カードには力を入れていない

その証拠に、個人用のクレジットカードで最も勢いのある「楽天カード」ですが、実は法人カードにはあまり力をいれていません。楽天にももちろん「楽天ビジネスカード」というものが存在しますが、どちらかと言えば、法人カードは、個人向けのクレジットカードのおまけのような印象受けます。

なぜなら、楽天ビジネスカードは「楽天プレミアムカード」入会者でなければ作ることができないカードであり、楽天プレミアムカードの持ち主には個人事業主が多いことから、作られたカードなのです。※言いきっていますが、この辺は筆者の見解です。

つまり、個人用クレジットカードで最も勢いのある楽天カードでさ、本腰をいれていないの分野なのが法人カードと言わざるを得ません。特に楽天カードの社員は、少数精鋭で業界では知られており、手間がかかり利益が出にくい法人カード部門には力を入れていないのです。

法人カードで年会費が無料のタイプは「ライフカードビジネス(スタンダード)」などごくわずか!

法人カードにおいて、年会費を永久に無料と宣伝している会社はなかなかありません

◆法人カードで年会費が無料

ライフカードビジネス(スタンダード)

なのは、このカードを含めごくわずかです。しかし、法人カードがカード会社にとっては儲けが出にくいために、このカードでは、下記の特典

✔空港ラウンジは使えない
✔ポイントサービスはない
✔付帯保険はない

など、クレジットカードの特典として使える機能が無く、その分コストを下げることで、なんとか法人カードの利益を出しているのでしょう。

社員の出張があまりない会社であれば、先にあげた特典は必要なく年会費をかけたくない個人事業主やスタートアップ企業が、事務処理に使う目的のクレジットカードとしては全く問題がありません。

ただ、クレジットカードを持ちたいという個人事業主や社長の中には

「社員のご馳走するときに、普通のカードじゃカッコ悪い」
「カードポイントを私的に使いたい」

という方も多く、カードの券面デザインや、個人事業主の方向けには下記の記事で触れましたで、個人事業主の方はご覧ください。

過去記事:個人事業主がクレジットカードを作る前に知るべき9つのポイント

法人や個人事業主でも「個人のクレジットカード」を事業に使っても問題はない!

実は、個人事業主やスタートアップ企業であれば、代表個人のクレジットカードを業務に使っても、何も問題はありません。もし、年会費が無料という点にこだわっているのであれば、個人所有のクレジットカードの1枚を企業用に利用すれば良いだけです。

筆者も、個人事業主時代、及び株式会社の社長になってからも、個人のクレジットカードを使用しておりますが、会計上、手続き上全く問題がありませんでした。

ただ、困ったことは「プライベート」と「事業」のクレジットカード明細が混ざるので、経費の仕訳や、立て替え作業が発生するので、法人カードが必要となり、申し込みました。

新たに申し込むクレジットカードが「個人のクレジットカード」で、それを完全に事業用として作れば問題はないので、個人のクレジットカードには「年会費」が無料のものが多くあるので、年会費無料のクレジットカードを比較的カンタンに作ることができます。

ただし、個人のクレジットカードでは

・従業員カード発行
・ETCカードの追加発行

などの数に限りがある場合があるので、個人用のクレジットカードの利用は個人事業主や、規模が小さい会社に限られます。

先がわからない世の中、念のため個人用のクレジットカードも、法人用のクレジットカードも両方作るべき!

2020年に世界中で流行した、コロナウイルスは日本にも直撃し、特に飲食店や観光業など、多くの産業にダメージを与えました。その中でも店舗を持つ事業者は、家賃の支払いや従業員の給与など、毎月多くの経費が発生します。

経費の支払いの一部を先延ばしする有効手段として「リボ払い」を使う方法があります。もちろんリボは、金利が高く、特に個人には借金地獄になる可能性があり全くおススメできない返済方法ですが、事業の緊急事態には大変ありがたい返済方法であり、借金の返済を後回して、キャッシュフローを改善することができます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*